注文住宅に防音室を作る際の費用相場はどのくらい?
注文住宅に防音室を取り入れることでライフスタイルが広がります。夜間でも周囲を気にせず楽器の練習や映画鑑賞が可能となり、生活の質が上昇することでしょう。しかし、防音室の費用や性能など疑問を持っている方もいるでしょう。この記事では、快適なライフスタイルを手に入れるための防音室のメリットや施工の費用相場についてご紹介します。
防音室の2つのタイプ
防音室の種類はユニットタイプとフリータイプの2種類があります。ユニットタイプとは、あらかじめ工場で製造されたパネルや部材を組み立てて設置するタイプのことを指します。それに対してフリータイプとは、あらかじめ製造されたものではなく、一から建設するタイプのことを指します。
つまり、「この2種類の防音室が持つ特性は全く違う」と言えますね。それではこの2つのタイプが持つメリット・デメリットについてご紹介します。
ユニットタイプを使用するメリット
ユニットタイプは、あらかじめ工場で製造されたパネルや部材を用いて設置するため、防音室の構造について知識がない人でも比較的簡単に、かつ短期間で設置することができます。
また、0.8畳ほどの広さから設置することが可能で、広さや防音の程度を選ぶことができ、解体して移動させることも可能な種類もあるため、使用用途は幅広いといえるでしょう。
ユニットタイプを使用するデメリット
ユニットタイプのデメリットは、やはり「カスタマイズ性がフリータイプに比べて限られている」ということでしょう。既に製造されたパネルや部材を用いるため防音性が劣ってしまう、という場合があります。また耐久性についても定期的なメンテナンスが必要です。
フリータイプを使用するメリット
フリータイプの防音室は、通常は専門の建築会社や施工業者によって建築されます。そのため顧客の要望や用途に合わせて完全にカスタマイズすることができ、防音性能やデザイン、機能性をより高度に調整することができます。
「楽器の練習をしたい」「映画を大音量で鑑賞したい」といった、特定の用途に特化した防音機能が必要な方や長期的な使用を考慮している方に適しているといえるでしょう。
フリータイプを使用するデメリット
フリータイプの防音室はカスタマイズ性が高く、高度な防音性能を持つため、一般的にコストが高くなります。また一から建設されるため、設置後の移動やメンテナンス、変更等が難しいです。購入を検討されている方は、必ず設置位置について確認しておきましょう。
注文住宅に防音室を作る費用相場
注文住宅に防音室を作る際の費用は防音室のサイズや材料の品質、施工業者の選択など様々な要素によって異なりますが、相場としては数十万円から数百万円と、かなり広い値になっています。
具体的な費用の要素
防音室を設置する際の費用となる要素は、主にサイズと設計、防音材料、施工業者の選択、追加オプションの有無の4つから構成されます。まず、防音室の広さや設計・使用する材料の品質や種類によって費用が大きく変わります。
また、プロの建築会社や専門業者に依頼する場合、施工費用が発生し、業者によって料金やアフターサービスが異なるため、複数の業者から見積もりを取ることがおすすめです。
そして、防音室には追加オプションとしてサウンドプルーフドアや音響設備などを設置することができますが、これらも費用に影響します。
防音室の選び方!自分に必要な防音性を把握しよう
防音室を選ぶ際に最も大切なことは、「適した防音性を理解する」ということです。せっかく設置した防音室でも遮音等級が適しておらず、音漏れの原因になることがあります。
つまり、自分が防音室で行いたいことに適した防音室を選ぶ必要があるということです。遮音等級とは建築物や素材の音響性能を測定する際に使用される指標で、音の伝達を防ぐ能力を示します。
遮音等級の目安
遮音等級は、一般的に以下のような目安で評価されます。
D-30以下の場合、低い遮音性能で音の漏れがかなりあり、声やテレビの音が比較的容易に外に漏れ聞こえることがあります。次にD-30〜D-40の場合、大きな音や外部の騒音は若干聞こえる可能性がありますが、一般的な会話やテレビの音は大きく聞こえない程度の防音性能です。
そして、D-40〜D-50の場合、大きな音や外部の騒音はまだ聞こえることがありますが、一般的な声やテレビの音はほとんど聞こえない程度の高い遮音性能を持ちます。
最後にD-50以上の場合、高い遮音性能を持ち、ほとんどの音が漏れず、外部の騒音もほとんど気になりません。音楽の演奏や映画鑑賞・集中して作業する際に適しています。
楽器を使用する際の遮音等級の目安
一般的な楽器の遮音等級の目安を以下に示しますが、これはあくまで一般的な推定値であり、実際の防音性能は具体的な状況によって異なります。
アコースティック楽器(ギターやピアノなど)は、静かな音量で演奏する場合にはD-40~D-50程度の防音があれば、ほとんど漏れません。また、ドラムセットでの演奏は非常に大きな音量を持ち、低い周波数の音が多いため、D-60以上の高い遮音が必要です。
そして、トランペットなどの管楽器を演奏する場合は、一般的にD-50以上が推奨され、特にトランペットなどは高音域の音を出すため、遮音性能が高い防音室が求められることがあります。
まとめ
この記事では、注文住宅に防音室を取り入れる際のメリット・デメリットと、防音室の施工費用相場について紹介しました。防音室を設けることにより、音楽演奏や映画鑑賞などを気兼ねなく楽しむことが可能となり、快適なライフスタイルを築くことができます。防音性能について理解し、周囲の環境などを考慮して遮音等級を選定しましょう。快適なライフスタイルを手に入れるために、防音室の導入を検討してみてください。