平屋の注文住宅を建てる際に抑えておくべき注意点とは?

公開日:2024/04/15  最終更新日:2024/01/12

平屋 注意点

注文住宅は、多くの人にとって夢の住まいを実現する手段です。なかでも、平屋建て住宅は、日本の住環境において注目を集めています。一戸建て住宅といえば、二階建て以上が主流でしたが、最近では平屋の人気も高まっています。本記事では、平屋の魅力、間取りに関する注意点、そしてコストについての注意点を詳しく説明します。

平屋建てとは?魅力とメリット

平屋建て住宅は、そのシンプルで開放的なデザインから多くの魅力を持っています。日本の一戸建て住宅の伝統的なスタイルは、二階建て以上で、縦に広がる構造が一般的でした。

しかし、平屋住宅は一階部分しかないため、その特性から生まれる魅力があります。以下に、平屋建て住宅の魅力を紹介します。

階段がいらない

平屋建て住宅の最大の魅力は、階段が不要であることです。階段がないため、高齢の方や体の不自由な方にとっても移動が容易で、バリアフリーな環境を実現できます。

また、子育て中の家庭にとっても、ベビーカーや幼児の世話がしやすい環境といえるでしょう。

耐震性の向上

近年、地震に対する意識が高まっており、住宅の耐震性は重要な要素となっています。平屋建て住宅は、柱や壁などの構造上の制約が少ないため、二階建て以上の住宅よりも耐震性を高める設計がしやすいといえます。

開放的なデザイン

平屋建て住宅は、高い天井や庭に面した大きなガラス戸などを取り入れられ、開放感のあるデザインが可能です。自然光がたっぷり入るため、明るく快適な生活空間を提供します。

コミュニケーションの促進

上下階の移動がないため、家族全員が同じフロアで生活することになり、コミュニケーションが取りやすくなります。家族の絆を深め、円滑なコミュニケーションを促進します。

平屋建ての間取りについての注意点

平屋建て住宅の間取りを考える際には、以下のポイントに注意することが大切です。

理想的な平屋の間取り

平屋の場合、一階部分しかないため、日当たりのよいスペースが限られます。光が届きにくい中央部分に中庭を設けることで、明るい空間を確保できます。

中庭は家族がくつろぐ場所や洗濯物を干す場所として活用でき、室内と屋外の中間となるスペースは子どもの遊び場にも適しています。平屋の場合、ある程度の敷地面積を確保する必要があります。

たとえば、夫婦と子ども2人の4人家族が暮らす場合には、延床面積32坪程度が最低限の広さの目安となります。採光や通風などのために中庭をつくる場合には、40坪以上の敷地面積が理想です。

建物を建てる面積の2倍程度の敷地面積が必要となります。平屋の魅力は開放感とコミュニケーションの促進ですが、プライバシーの確保も大切です。外部からの侵入を防ぐために、適切な防犯対策を講じる必要があります。

また、広い開口部は中庭に面した位置に配置することで、プライバシーを守りつつ開放感を楽しむことができます。

シニア同居の平屋建て間取り

平屋建て住宅は、シニア世代にもとくに人気があります。平屋建て住宅は、バリアフリーな設計が得意です。

段差をなくし、車椅子の利用や歩行が困難な方にも対応できるように工夫しましょう。手すりや手すり取り付けのスペースを確保することも重要です。

シニア同居の場合、家族内でプライバシーを尊重することが大切です。各居室が個別のトイレや洗面所を持つなど、プライバシーを確保するための工夫が必要です。

平屋建てのコストについての注意点

平屋建ての新築に際して、コストについても注意が必要です。以下は、平屋建てのコストに関する注意点です。

土地代と屋根にかかる費用

新築平屋の建設は、まず広い土地を必要とします。このため、土地代が高額につながることがあります。

さらに、平屋の特徴である一階分の広い屋根も費用がかさむ要因です。広い敷地と広大な屋根にかかる費用が、平屋の坪単価が高い理由とされています。

間取りやデザインの選択で費用が増加

平屋の間取りや建物のデザインは、費用に大きな影響を及ぼします。とくに、複雑な間取りや特殊なデザイン(例:L字型やコの字型)は、外壁の増加につながり、コストが高騰する可能性があります。

費用をコントロールするためには、シンプルな長方形型の間取りを選択することがひとつの方法です。

ハウスメーカーとプランによる価格の違い

同じ規格の住宅でも、ハウスメーカーやプランによって価格が異なります。価格帯は幅広く、リーズナブルなプランから高級なプランまでさまざまです。

ハウスメーカーを選ぶ際には、性能、価格、希望に合致するかどうかを総合的に評価し、比較検討することが大切です。

防犯とプライバシー対策に要する費用

平屋の特性として、開放的なデザインが挙げられますが、外部からの視線が入りやすく、プライバシーの確保が難しいことがあります。

このため、防犯とプライバシー保護のために、目隠しの木や塀、防犯カメラ、センサー付きライトなどの対策が必要です。これらの対策に要する費用も予算内で計画しましょう。

採光計画に要する費用

平屋の建物は、周囲の高層建築物やほかの住宅によって日光が遮られる可能性があるため、採光計画が重要です。採光を確保するために、窓の位置や数に慎重に注意を払う必要があります。

採光計画に要する費用も考慮に入れましょう。これらの要点を踏まえ、予算と建設計画を検討し、理想の平屋を建てるために計画的に進めましょう。

まとめ

平屋建て住宅は、階段のないシンプルなデザインや開放的な空間など、多くの魅力を持っています。

しかし、間取りやコストに関する注意点も忘れてはいけません。理想的な平屋建てを実現するために、中庭の設置やプライバシーの確保、シニア同居の工夫が必要です。

また、建築費用を抑えるためには、設備の選択やハウスメーカーの比較も大切です。平屋建て住宅は、家族の絆を深め、快適な生活を提供する理想的な住まいのひとつつです。

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