ホームエレベーターの設置にかかる費用・ランニングコストをご紹介

公開日:2024/02/15  最終更新日:2023/09/14

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近年、ホームエレベーターの需要が増加しています。本記事では、ホームエレベーターの設置にかかる費用とランニングコストについて詳しく紹介します。エレベーターの利便性や快適さは、住宅の価値を高める要素となる一方で、費用面や維持費に関する疑問を持つ人も多いでしょう。ぜひ本記事を読み進めて、疑問を解消してください。

ホームエレベーターは敷居が高い?

ホームエレベーターは、一般的な住宅に設置されるエレベーターのことを指します。

高齢者や身体障害者など移動の制約がある人や、重い荷物を運ぶ際に便利です。しかし、ホームエレベーターにはいくつかの課題や敷居が高いとされる要素が存在します。

ホームエレベーターの設置費用が高額であること

通常、エレベーターの設置は建物の構造に合わせたカスタム仕様のため、専門業者による設計と施工が必要です。

ホームエレベーターの設置には高度な技術と専門知識が求められるため、一般的な住宅の予算範囲を超えます。また、保守・メンテナンスにかかる費用も高額です。

エレベーターは頻繁に使用されるため、定期的な点検やメンテナンスが欠かせません。安全に利用するための運用コストが増大し、所有者にとって追加の負担となる可能性があります。

エレベーターの設置場所が限定される

住宅のスペースによっては、エレベーターの設置に適した場所が限られます。

エレベーターのシャフトを設置するためには、建物の構造に大幅な変更が必要です。エレベーター設置のために、さらなるコストと手間がかかる可能性があります。

建築基準や安全基準の問題

さらに、ホームエレベーターの利用には建築基準や安全基準などの法規制を遵守する必要があります。

これらの規制に適合させるためにも専門的なアドバイスと技術が必要とされるため、設置プロセスは煩雑になりがちです。

ホームエレベーターの設置費用

ホームエレベーターの設置にかかる費用は大きく「設置費用」「ランニングコスト」の2つに分かれます。それぞれ詳しくみていきましょう。

■設置費用の相場

設置費用には、エレベーターの本体価格、設置工事費用、そして申請費用が含まれます。

エレベーターの本体価格と設置工事費用は、建物の構造やエレベーターの種類、広さによって変動しますが、一般的なホームエレベーターの場合、250万円から460万円程度です。

既存の建物を改造して設置する場合は、さらに追加費用がかかります。また、エレベーターの設置には役所での確認申請が必要で、手続きにかかる費用は10万円から15万円程度です。

ランニングコストの相場

ランニング費コストは、エレベーターを使用し続ける際にかかる費用です。主なランニングコストには以下のようなものがあります。

電気代

1ヶ月あたり500円から600円程度かかり、利用回数によって変動します。

法定点検費用

建築基準法により、エレベーターの定期点検が義務付けられており、年間4万円から7万円程度必要です。

固定資産税

エレベーター設置により建物の評価額が上がるため、年間2万円程度の増加が考えられます。

設置費用とランニングコストは、エレベーターを所有・運用する際に考慮すべき重要な要素です。とくにランニングコストは、長期間にわたってかかるため、所有者にとって負担が大きくなる可能性があります。

エレベーターを導入する際には、設置費用だけでなくランニングコストも事前に計画し、維持管理にも注意を払うことが重要です。

ホームエレベーターを検討する前に注意すべきポイント

ホームエレベーターを検討する際には、いくつかの重要なポイントに注意する必要があります。

以下に、検討前に押さえておくべきポイントを紹介します。

非常時の対策

まず、非常時の対策が必要です。エレベーターは停電や地震、水害などの災害時には使用できません。

このため、停電時にも運転可能なバッテリー機能や、故障時に自動的に最寄りの階まで運転する自動運転機能を備えたエレベーターが適しています。

法的手続きが必要

次に、エレベーターを設置する際の法的手続きも怠れません。

3階建て住宅にエレベーターを設置するには、管轄の役所で法的な手続きを行うことが必要です。新築住宅だけでなく、既存住宅のリフォームとしてエレベーターを設置する場合にも同様の手続きが必要です。

確認申請や完了検査の申請などが必要であり、許可が下りた後に工事に着手できます。リフォームの場合は、既存住宅の強度がエレベーター設置に耐えられるかどうかを建築士と相談し、必要に応じて補強工事も検討する必要があります。

エレベーターの維持管理

さらに、エレベーターの維持管理についても注意が必要です。

エレベーターは定期的なメンテナンスや点検が必要で、建築基準法などの法律で義務付けられています。エレベーターの所有者または管理者は、常にエレベーターが安全に運行できるように維持管理する責任を負っています。

定期点検は一般的にメンテナンス契約を結んだ製造メーカーが行いますが、定期的な確認や注意が欠かせません。

まとめ

ホームエレベーターは便利で快適な移動手段として高齢者や身体障害者にとって魅力的ですが、その設置費用とランニングコストは高額です。本体価格と設置工事にかかる250万円から460万円程度の費用に加え、申請費用や維持費用もかかることを理解する必要があります。ホームエレベーターを検討する際には、建物の構造や法規制、メンテナンスなど注意すべきポイントも考慮しましょう。事前の予算計画と適切な専門家の助言を得ることが重要で、慎重な選択が求められます。

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